ロイヤルカナンは日本法人があります。
外国のドッグフードメーカーできちんと日本に子会社・販社を置いているところは意外に少ないものです。
ほとんどが国内の代理店に卸すか平行輸入業者に流すのが普通です。
一般の飼い主さん用のドッグフードを売るだけなら、それでもできるんでしょうが、
動物病院向けの食事療法食やプロ向けのフードとなると、きちんとした専門サポートが必要です。
その点、日本に子会社を置いているロイヤルカナンは、
「しっかり本腰を入れている」印象があります。
サイトを見てもコンテンツの充実さと、更新の頻度は他のフードメーカーとは比較にならないほどです。
そのサイトを見て感じたことがあります。
ここからは100%私の勝手な主観です。
私がすごいな、と思ったのはその対応の中身です。
Q&Aやお知らせのコーナーで、
「犬は肉食性の雑食動物です」と記したあたりにその苦労のあとが見えるからです。
最近ネットではドッグフードの中身に対して厳しい目が向けられています。
今までのドッグフードメーカーは犬に対して決して良心的ではありませんでした。
人間が食べないような程度の悪いものや廃棄物が当たり前のように入っていました。
はっきり言えばゴミのようなものを犬に食べさせていました。
「安かろう悪かろう」が業界の常識だったのです。
犬にとって何が理想の食事か、フードメーカーはみんな知っています。
それは、「肉」です。
ロイヤルカナンも、「犬の小腸は短く、炭水化物の消化に適していない」と言っています。
犬の口の中にはでんぷんの消化酵素はなく、穀物とでんぷんは犬にとって消化が難しく体に負担をかけます。
犬の体内に大量のブドウ糖があると、低血糖症、アレルギーや糖尿病の原因になります。
炭水化物のほとんどは未消化のまま体内を通り抜けて便になります。
炭水化物主体のドッグフードを食べると便が大きくなります。
一方生肉と骨を主体とする食事をすると犬に必要な栄養分が行きわたり、消化も良く、便も少なくなります。
祖先の狼の時代から食べたらすぐ走らなくてはいけない環境でも、少量の肉でも栄養が良く、体に負担が少ないので走りやすかったのです。
犬には動物性たんぱく質(肉)が最も適しているのはロイヤルカナンも知っています。
でも、肉主体(50%以上)にすると、コストが跳ね上がるのです!
いまの高収益体制は崩れるでしょう。
販売単価も倍にはしないと今の利益は確保が難しいでしょう。
だからこそ「犬は肉食系の雑食動物です」と説明したのでしょう。
肉といってもモモ肉ばかり食べてたらどうなるのか。
祖先の狼は内臓に含まれる草も食べていたから栄養バランスが取れていたのだ、と。
だから犬は雑食と捉えるべき。
なので米やトウモロコシなど炭水化物も配合してもよい、という訳です。
決して単純にかさ増しのために炭水化物を使っているのではありません、という意味でしょう。
ただ冷静に考えると、世界中の犬にたっぷりと肉のフードを与えたら、肉が枯渇して余計に高騰するのでは、という気もします。
世界にはまだまだ人間でさえ満足に肉が食べれない地域もあります。
それにドッグフードが高騰したら犬を飼いたくても飼えない人が出てくるかも。
犬に対する理想と現実はしっかり考えるべきです。
巷のドッグフードメーカーには、相変わらず「安かろう悪かろう」を売っているところもたくさんあります。
そこに比べたらロイヤルカナンはかなりましな方です。
これほどの世界企業になったらもう少し業界をリードしてくれたら、とも思います。
ロイヤルカナンは船で来る に続く