◎主要必須ミネラルの続き
④ナトリウム (Na)
細胞の機能に必要不可欠で重要な役割を果たしています。
ナトリウムは、体内の水分量を常時適切な状態に調節します。
また、神経や筋肉を正常に動かすために働きます。
主に細胞の外側に存在し、血圧の調整や酸の中和、栄養素の吸収や輸送にも関わります。
一般には塩化ナトリウム=塩のかたちで存在することが多いのですが、鉱物塩としてほかに、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが用いられます。
人間にとっては塩分といえば、「摂り過ぎ」が高血圧につながり、たくさん撮ることに注意が必要ですが、犬はナトリウムを容易に尿中に排泄することができるため、高血圧の心配はいらないとされています。
犬でナトリウムが欠乏することは稀ですが、情緒不安定や心拍数の増加、飲水量の減少などが見られます。
●ナトリウムの役割
・カリウムなどとともに血液中のphバランスや、細胞内の浸透圧を一定に保つ働きを持ちます。
血液は通常、ph7.4の弱アルカリ性ですが、激しい運動をするとたちまち酸性になります。人間ではph7を切ると呼吸困難、ph6.8以下になると死亡に至ります。
ナトリウムは酸を中和し、血液のphを正常に保つのを助けます。
・細胞のエネルギーの代謝に重要な役割を果たし、神経の伝達にも関わっています。
・体内の水分バランスを制御するので、その働きはカリウムと密接に関係しています。
ナトリウムとカリウムのバランスが崩れると、筋肉が正常に動かなくなって痙攣が起きることがあります。
●ナトリウムを含む食材
加工肉や調味料など。
●犬のどんな時期に有効か
○尿路結石の予防
飲水量を増やしたり尿量を増やすことで尿路結石のリスクを低下させます。
○歯石の形成を抑える
ポリリン酸ナトリウムとして唾液中のカルシウムを捕捉し、歯垢の石灰化を抑えることで、歯石の沈着を大幅に軽減します。
⑤塩素 (CI)
動物の細胞外液中に最も多く存在する陰イオンです。
ほとんどの食品にわずかしか含まれないので、塩化ナトリウム(食塩)などの塩素化合物のかたちで食物から摂取します。
塩素自体には強い殺菌作用があります。
そのため、病原菌生物の殺菌や臭いを取ることができます。
●塩素の役割
犬では胃酸の成分であり、タンパク質の消化に利用されます。
体液の浸透圧の調整や、血液や腸内環境のph調整にも利用されます。
●塩素を含む食材
水道水、塩化ナトリウム=食塩を含む食材
●犬のどんな時期に有効か
○成長期の子犬
欠乏すると成長遅延、カリウム欠乏症の症状が出るため。